KISS AND SAY GOOD-BYE
美華は、シャワーを浴びた後の様で、ゆっくりとドライヤーで髪の毛を乾かしていた。
「おはよう美華!」
『オハヨー リュウ!
もしかしてドライヤーの音がうるさかった?』
「そんなこと無いよ。
ところで何時に起きたの!?」
『6時くらいかな!
今日は、留学生達の荷造りも有るから早めにチェックアウトして、新星MUSIC本社に行かないといけないでしょ!?』
「そうだね。
じゃあ、朝食頼んでおくね!
オムレツとトーストとホットココアで良いかな?」
『ありがとう。
それをお願い。』
俺は、電話で朝食を頼んでから洗面所へ向かった。
「ところで美華、体は辛くない!?」
『へへへ、実はさっきから腰が重くて痛くて足もピクピクしてるのよ。
でも、幸せの方が一杯で、さっきから顔がにやけちゃってしょうがないんだ!』
「たしかに、ほっぺたの辺りが緩みっぱなしだね。
会社行ったら社長に突っ込まれるぞ!」
『いいもん!
正直に【念願かなって、やっと桧山君と心も体も一つに成れました。】って報告したいくらいなんだから。』
「ハハハ……。」
その後、朝食を食べてから俺達は新星MUSIC本社へとやって来た。
『お早うございます社長。』
「はい、お早うさん!
桧山君も滝本さんも、昨日は楽しんだかい!?」
『はい、東大門市場(トンデムンシジャン)や梨泰院(イテウォン)に行きました。
屋台のオデンや豚の皮を食べたりもしたし、地下鉄にも初めて乗りました。
夜は150種類以上もあるバイキングにも連れていって貰いました。』
「そっかそっか、そりゃ良かったね。
それじゃあ、これから荷造り頼むよ。」
『「はい。」』
その後、無事荷造りも終わり留学生達の送りだしの準備も整い、俺と美華は社長に会社の気付いた点を報告して、その後も色んな部署を見学して過ごした。
日本に帰ってから、韓国で得たものをレポートに纏めておいた。
そして、気がつけば春休みも終わり、来週からは3年生である。
美華も、俺と同じように進学クラスへの編入試験を受けて合格を貰っている。
と言うことは、明日からは美華と同じクラスで授業を受けられるのだ。
今からワクワクする。
それに、機械実習のための作業服も着なくて良いし、最高だ!
でも、受験かぁ…………
夏過ぎたらあんまりバイトも出来なくなるよなぁ~。