KISS AND SAY GOOD-BYE
そんなマコチャンのお魚トークを、美華がアッサリ中断させてくれた。
平井誠ことマコチャンが、バタフライフィッシュって言うのは、正式にはパントドンと言う名前で……って言いかけた時に、
『真里江ちゃん、お早う!
進学クラスに編入したんだ!?』
『美華、おは~。
美華も居るんだ。
良かった~!
知らない人ばっかりだったらどうしようかと思ってたんだ!』
「美華、こちらの子は?」
『皆、紹介するね!
彼女は、谷 真里江ちゃん。
国本幼稚園から国本女子中学迄、ずっと一緒だったんだ!
インテリア科からの編入よ。』
「初めまして、桧山隆一です。
機械科から来たんだ。」
『前に言ってた私の彼氏だよ。』
「初めまして!
貴方が噂の桧山君かぁ。
美華からノロケは聴いてたけど、噂以上の男前ね。
宜しくね!」
『俺は吉川 陶一朗。
桧山のツレで、美術科からの編入だ。
それから、こっちが平井 誠。
俺達3人は、おんなじ中学なんだ。』
『初めまして、平井 誠です。
僕は建築科から来ました。』
『こちらこそ、みんなヨロシクです。
あたしさぁ、美華と違って御嬢様でも無いけど、親の見栄で国本学園に通わさせられていたんだ。
このまま、国本女子高等部にエレベーター式に上がるのが嫌で、家の建具屋を継ぐからってこの学校に入ったんだ。
これから1年間宜しくで~す。』
『所で真里江ッチは彼氏居るの!?』
『幼稚園からずっと女子ばっかりの中にいたからさ、高校に入って彼氏作ろうと頑張ってみたんだけど、どうも難しくてさぁ…』
『だって、真里江は男に対して幻想を抱きすぎなんだもん。』
「男への幻想って!?」
『男は強くて、女性を守れて、尚且つ優しくて、芸術性もあり、包容力もあり、ユーモアもあり、面白くて、背が高くて、頭も切れる………』
「『『もう分かったよ!』』」
『そんな男子からの、突然の告白とかが有れば、最高なんだけどなぁ~♪』
彼女は、白馬の王子様でも待ってるんだろうか!?
確かに幻想を抱きすぎってもんだ!
すると、
『真里江ッチ、俺のカノジョになってくれ!
君のその条件は、まさに俺の事を言っているんだろ!?
俺が君を守る!』
『アッ、吉川君、言ってなかったけど、真里江ちゃんは合気道の二段だから!
この間、都の大会の女子の部で準優勝してるんだよ。』
『マジで!!!』
見た目は、身長は160cm有るか無いか位だけど、ほっそりとしてモデル体型の彼女が合気道の都大会で準優勝とは!
可愛い顔をして、人は見かけによらないもんだ!