KISS AND SAY GOOD-BYE
3年生 3学期 そして卒業
1月7日の水曜日、始業式をする事もなく、HRが終われば授業が始まる。
兎に角、現国、古典、英語、数学、地理と歴史、科学に化学に物理、これ等が順番に順番に毎日遣ってくる。
最後の追い込みで、センター試験の予想問題がドンドン出されてくる。
マークシート式の小テストを日々こなして17の土曜日、そして18日の日曜日が過ぎていった。
19日の月曜日、終にその日は遣ってきた。
センター試験会場に向かいながら気合いも十分だ。
遣るだけの事は遣った。
書けるところは全て書いた。
時間が余ったら必ず1から見直して、書き間違いが無いかチェックした。
ケアレスミスが無いかも確認して、全ての試験が終わった。
これから2月の末迄は授業もない。
試験会場を出た俺は美華に、
「美華、これから1ヶ月半どう過ごすの?」
『特に何も決めてないんだ。
旅行の予定もないし、またバイトでもしようかなぁなんて考えてたんだ。』
「美華も!?
俺もなんだ。
じゃあさ、今から新星MUSICに行くか?
社長も年末に日本に帰ってきてるそうだから。」
『じゃあ着替えるから、車で迎えに来てくれる!?』
「バイク寒いもんなぁ~!」
『だよね!
今からママが迎えに来てくれるから、リュウは寒いだろうけどバイクで帰って車取ってきてね。』
「分かった。」
『それから、運転には気を付けてよね。』
「大丈夫!
安全運転で行ってくるから。」
『それから、忘れ物よ!』
「何を?」
『こ~れ!』
と言って、俺の手を引っ張ってチュッてしてきた。
「あぁ~、美華からのチュッって久しぶりだ。
もう一回!」
『へへへ、じゃあ目瞑っててよね!』
「OK!
こうか?」
『そう。チュッ!』
会場の階段の陰で俺と美華は、久しぶりに長~いキスをしていた。
と、ふとアウディのエンジン音が聴こえてきたので、美華から離れて階段の陰から出ていくと、案の定美華のママのお迎えが来ていた。
美華と別れてから、駐車場へ行き、愛車のバイクに股がりエンジンをスタートさせた。
セルモーターの音の後に、ハーレー独特の低いエンジン音が響く。
2分くらいアイドリングをしてから、メットを被り、グローブを嵌めて家に向けて出発した。
美華が心配していたので、何時もより気を付けながらの運転で、家に着いたときには気を張りすぎていた為に、少し疲れてしまった。