KISS AND SAY GOOD-BYE
新宿から世田谷まで、美華を迎えに行き、そのまま又新宿の新星MUSICへと向かった。
久しぶりに遣ってきた新星MUSIC日本支社、広い駐車場の一画に自分の車を駐車してから、受付から社長に、今到着したことを知らせてもらった。
社長室に来るように言われた俺達は、エレベーターに乗って最上階へ!
社長室手前のカウンターの秘書のお姉さんが、俺達の知っている人で、笑顔で
『お二人ともお久しぶり!
社長がお待ちですので中にどうぞ。』
「はい。
ご無沙汰しております。」
一礼して、社長室のドアをノックした。
トントントン!
『はい、どうぞ!』
懐かしい社長の声を確認してから、ゆっくりとドアを開けた。
『いゃあ、久しぶりだね君達!』
「ご無沙汰しております。」
『社長、お元気でしたか!?』
『私は相変わらすだよ。
今日、入試が終わったんだよね!?』
「はい。」
『どうだい、大学には入れそうかい!?』
『私は、たぶん大丈夫だと思います。
今までに無いくらい勉強して、遣ったところが殆ど試験に出てましたので、各教科80点くらいはいけそうです。』
『すごい自信だね。
こりゃ安心だな!
桧山君はどうだったんだい!?』
『私もそれが気になってたのよねぇ。
リュウ、どうだった?』
「ハハハ……、社長!」
『なんだね?』
「たぶんW大学は間違いなく合格ですよ。
これまでに無いくらいの自信が有ります。
私は、各教科95点以上だと自己採点しています。」
『そうかぁ!
そりゃ楽しみだ。
それじゃあ、二人とも大学に入ってもこの新星MUSICでバイトしてくれるかね!?』
『勿論ですよ社長!』
「僕も大丈夫です。
しっかり4年間頑張らさせて頂きます、と言いたいところですが、大学に入ってからどうしても受けたいゼミが有るんで、そのゼミがある日はお休みさせて頂きますね。」
『そりゃ、学生は勉強が本分なんだから、そこのところは心配しなくても大丈夫ですよ。
前後期の試験の時も、前もって分かるんだから、スケジュールを巧く組んで遣っていきなさい。』
『「宜しくお願いします。」』
『それでは、今回から君達には今までと違う部署で頑張って貰うからね!』
『ヤッタァ~!
これで棚橋さんから離れられる!』
おいおい、社長の前でいきなり何を言い出すんだよ美華は!
確かに、棚橋恵美子さんには困ってはいたけど……
社長が苦笑いしてるし……
『それじゃあ、新しい部署で頑張ってもらうよ。
明日からで大丈夫ですか?』
『「大丈夫です。」』
「どこの部署になるんですか?」
俺達二人は、社長の次の言葉を唾を飲み込みながら待っていた。