KISS AND SAY GOOD-BYE
『隆一、今日さぁ聖美に会ったでしょ!?』
「うん、偶然信号待ちしてた時に会った。」
『聖美からメールが来たんだけど、お願いが有るって言うから電話してみたら、隆一にカットモデルになって欲しいって言うんだよ。
大会が有るから、その時に向けてヘアケアもしたいし、出来ればお願い出来ないかなって。』
「でも、俺もバイトが忙しいからなぁ。」
『大丈夫よ。
向こうも夜9時位までは営業中なんだから、お店が終わってから1時間だけって言うのよ。
大会は8月10日の日曜日なんだって。
それまで、大体1日置き位でヘアケアとかしたいんだって。』
「マジかよ。
面倒臭そう!
姉貴がモデルになってあげれば良いじゃん!」
『男性モデルを使ってのヘアアレンジの大会だから無理よ。
良いじゃん!
最近ボサボサに伸びてきてるし、ただで髪の毛切ってくれるって言うか、髪質が向上した上にお金まで貰えるんだから。』
「別にお金に困ってないし!
今でも、貰ったけど使ってないバイト代が200万円近く有るし!」
『200万円!?
あんた、一体バイト代いくら貰ってるの!?』
「え~っと、大体月35万円くらい。」
『あんた、そこら辺の大卒のサラリーマンよりも稼いでるんだ!
新星MUSICって、そんなに儲かってるの?
アルバイトに月35万円も払うなんて……。』
「儲かってるよ。
それに、俺もそれなりに頑張ってるし!
この前まで遣っていた韓国人留学生がラーメン作ったりする企画の番組観た?」
『観たけど!?それが?』
「あれ、俺の持ち込み企画なんだぜ!」
『ウソ!?』
「嘘じゃないさ。
それも、まだ俺が高校生だった時に、ひまわりテレビに直接交渉したんだから。」
『あんた、一体バイトで何を遣ってるの?
それって正社員の仕事じゃん。
それも、業界のプロデューサーとかの仕事じゃないの?』
「そうだよ。
だから、それだけのバイト代が貰えてるってこと!
この撮影中おれは新星MUSICのバイトでタレントマネージャーでありながら、ついでにひまわりテレビでアシスタントプロデューサー(AP)も兼任してたんだから。」
『それにしても35万円って!
税金は!?』
「何いってるの?
ちゃんと引かれて、手取りが35万円だよ。
送迎手当てや残業手当てとかも付いてるよ。」
『信じらんない。
ちょっとお父さん、高山の叔父さんに言っとかなくて良いの!?
いくらなんでも高校生や大学生に渡しすぎでしょ!?』
『そんなこと無いさ!
うちでバイトしてる大学生の講師の中にも、教え方が上手で、去年受け持っていたクラスの成績が30%アップしたから、今年からその大学生講師には、毎月40万円のバイト代をあげてるよ。』
「そう言うことだよ姉貴!
姉貴だって、頑張ればそうなるんだって!
って言っても、姉貴はいずれは経営サイドに回るから、給料を貰うより講師達に支払う側になるんだろうけどね!」
『まぁ、お金の話しは良いから、カットモデル頼んだわよ。』
「わかった。わかったよ!
で、いつからなの?」
『さすが、我が弟!
了承してくれると思って、もうOKしといたから!
明日の晩9時にlovely hairに行ってくれる。』
「あいよ。
そのかわり、姉貴には1つ貸しだかんな!
俺が困った時には頼み聴いてよな!?」
『お姉様に任せっなさ~い!』
あまりあてには出来ないけれど、マッ良いか!