KISS AND SAY GOOD-BYE





翌日、登校して試験を受けるいつもの講堂に入ると、同じ学科の藤浪さんが、、、



『桧山君、どうしたの?

今日は一段とカッコイイじゃない!

お洒落して~、眉毛が綺麗に整ってる~!』



「ハハハ、実はカットモデルを頼まれてさぁ、見てみろよ。

髪の毛なんかサラサラだぜ!」



『ホントだ!

サラサラで、光沢もあるわ。

どこでやってるの?』



「Lovely hair本店だよ。

そこの娘さんが、姉貴の中学からの同級生でさぁ、無理やり頼み込まれて仕方なくモデルにって感じ。」



『うわぁ、嫉妬しちゃいそう。

その桧山君のお姉さんの友達って可愛いの?』



「お前と違ってFカップのお姉さまって感じ。」



『ヒドイ桧山君!

セクハラ!

私だって、そのうち大きくなるわよ。

桧山君、私の様な胸の小さい女性は嫌い?』



「胸関係無いし!

って言うか、お前はダメ!」



『どうしてよ!?

入学式の時から、ずっと好きなのに…。』



「副総理の娘が何を言っちゃってるの!

藤浪は、それこそ代議士か国会議員の息子か、いずれにしろ政治家の家系なんだから、その道の人と出会いを探しな!」



『えぇ~!

ヒドイ~!

私は政治家なんて大嫌いなのに!』



「親を否定するなよ!

お前の親父さん、総理より頑張ってるじゃないか!

領土問題だって、親父さんのお陰で解決に向かってるし、原発問題だって、お前の親父さんが新たな方向性を示唆したからこそ、水素発電が本格化して5年後には完成の目処がたってるって言うじゃないか!

そんなに頑張ってる親父さんを嫌うなよ。」



『だって、パパなんて小さいときから殆ど居ないんだよ。

授業参観や運動会だって来たこと無いし、私の誕生日なんか秘書が買ってきた誕生日プレゼントをお手伝いさんから渡されても、嬉しくも何ともないわ!』



「ハハハ……。

まぁ、副総理ともなると忙しいからな!

まぁ藤浪、お前も社会人に成ったらわかるよ。」



『自分だってまだ学生じゃない。』



「俺は、高校1年生の時からずっと働いているんだぜ!」



『どうしてよ!?

桧山君家って、進学予備校並みに手広く遣ってる学習塾の息子でしょ!?

メチャクチャ儲かってるって和田君が言ってたわよ。』



和田とは、大学に入って友達に成った、兵庫からやって来た同じ学部の奴だ。



「俺の親父の知人が遣ってる会社で、もう3年以上アルバイトしてるんだよ。」



『たかがアルバイトじゃない。

社会人にはほど遠くない!?』



「春休みや夏休みみたいに長期の休みが有るときは、9時5時で会社で働いてたんだぜ!

って言うか、残業遣ったり営業かけたり、起業の手伝いしたり大変だったんだから。」



『桧山君って、そこいらへんの男子とは違うと思っていたけど、ヤッパ私が見込んだだけの事は有るわね。

既に社会人になってるんだもん。

だからだろうなぁ、私は桧山君になら全てをあげられるわ…。』



ナニ、赤い顔して言ってんだよ!



「全ては要らない!

友情だけで充分だよ。

藤浪は、俺のダチだから!

女だけどダチ!

だから、困ったことが有ったら俺が助けて遣るからな!

さぁて、そろそろ試験だな!

1コマ目は、データリテラシー で、2コマ目がメディア論かぁ。

そんでって3コマ目が メディアコミュニケーション学と、マジで難しいのばっかだなぁ。

頑張ろうぜ藤浪真優ちゃん! 」



と、フルネームで言うと、マユユって呼んでとしつこくせがんでくる、こいつも大学に入って知り合った俺のダチ!



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