KISS AND SAY GOOD-BYE
1年生 1学期
入学式
新一年生達が、皆さん個性たっぷりで登校している
私は、春らしくピンクのワンピだよ
もちろん膝丈より少し短め
お揃いの薄手のカーディガンと併せてのコーデは、ちょっぴり幼く見えるかも……
校門をくぐって、学校の中に入っていった
新しい教室の場所を確認してから、体育館に向かった
科別に分かれて、
右半分が工業科
左半分が工芸科
見事に男女が分かれている
少数派は、パラダイスか、それとも地獄?
デザイン科には、男子は2名だけか!
なんか、肩身が狭そう
デザイン科の隣に並んでいる男共は……バッジにMのマークが付いているから……マシーン、機械科だ
何か、怖そうな男子がズラリと並んでいるなぁ
「何ジロジロ見てんだよ!?」
『…別に…』
「Dのバッジ付けてるから、お前デザイン科か!
工業科をチラ見してるって事は、お前、男に飢えてんのか?」
『バ…バカ言わないでよ!
そんなわけ無いじゃん!』
「お前、小っせぇなぁ!
中学生みたいだな
俺が男を教えてやろうか!?」
『最低!』
「俺に会いたくなったらいつでもおいで
1年機械科1組の桧山隆一(ヒヤマ・リュウイチ)」
『私は、1年デザイン科2組の滝本美華(タキモト ミカ)
って、つられてあんたに名前なんか教えるんじゃなかった
あんたになんか会いたくなるもんですか
自惚れないでよね』
ムカムカしながら、気が付いたら入学式も終わって、皆ゾロゾロと体育館から出ていった。
これから自分達の教室に戻って担任との顔合わせとホームルームだって
今日は、それでおしまい
授業は明日以降から始まるんだ
教室に入ると、出席番号順に座るようになっていた
私の席は、真ん中の筋のど真ん中にあった
女子が33人、男子は2人だけ
何か女臭い教室
皆、香水付けたり化粧したり…凄いなぁ
私なんかスッピンだよ!
隣に座ってる子もスッピンだ!
でも可愛い
「ねぇねぇ、アタシ成山智絵(ナルヤマ チエ)
ヨロシクね!」
『私は、滝本美華
こちらこそヨロシクね!』
「ミカって呼んで良い?」
『良いよ
アタシもチエって呼んで良いよね!?』
「良いよ!
ミカってどうしてこのデザイン科に入ったの!?」
『試験受けてだけど』