KISS AND SAY GOOD-BYE
しばらくして、チャンス君とハヌルちゃんを高山ご夫妻のところに連れて行ってから、俺は美華と一緒に沖近く迄泳いでいき、浮き輪の中の美華と遊んでいた。
「なぁ美華、俺達がきちんと付き合いだして1ヶ月以上になるよな!?」
『そうね!
なかなかデートも出来なかったけど、気が付いたら、いつも一緒に居たね。』
「だよな。
もうそろそろ良いだろう!?」
『良いって何が!?』
「何がって…、キスだよ!」
『な~んだ、そんな事!?
いつでも良いよ!』
「エッ、マジで!?
美華はお嬢様だから、かなり我慢してた。
お前に嫌われたく無いから。」
『嫌わないわよ!
言うの恥ずかしいんだけど、私はず~っと待ってたんだよ!
でも、リュウがなかなかキスしてくれないから、いろんな事考えてた。』
「いろんな事って?」
『もしかして、他にも彼女が居るんじゃないかとか、セフレが居るから私には何もして来ないじゃないかとか…!』
「そんなの居ねぇし、ひたすら我慢してただけだし……。」
俺は、美華の浮き輪をグッと引き寄せると、左手で美華の頭を抱き寄せ、ソッと唇を重ねた。
軽く口付けてから、一度唇を離して、もう一度今度は深く口付けを交わした。
リュウが、やっとキスしてくれた。
最初は優しく、次に深く長く……
頭の中がしびれるような感覚がしてきた。
息が苦しくなってきて、ソッと口を開けようとしたら、リュウの舌がいきなり入ってきた。
ビックリしたけど、嫌じゃなかった。
初めてのキスだけど、リュウの優しくて熱い口付けは、私の頭の中を真っ白にしていった。
やっと唇が離れた時には、多分私の顔は真っ赤になっていたはず。
恥ずかしくなったので、水中に潜っちゃった。
「何潜ってんだよ。」
『へへへ、何か照れちゃったから。』
「顔真っ赤!」
『陽に焼けたんだよ。
リュウだって真っ赤だよ!』
「俺も陽に焼けたんだよ。
そろそろ岸に戻ろうぜ!」
『そうだね。
ちょっと寒くなってきたしね!』
「じゃあ、引っ張って行ってあげるよ。」
最初、浮き輪を掴もうとしたが、美華が手を差し出してきたので、彼女の手を握りしめた。
「戻る前にもう一回な!」
と言って、再びKISSをした。