KISS AND SAY GOOD-BYE
夕方まで、皆で楽しく過ごし、ゴミを片付けて車に戻ってきた。
『隆一君、家まで送ってね。』
「あぁ、分かった。」
『じゃあ藤浪以外は、こっちの車に乗って。
寮の方まで送るから。』
「じゃあな!
気を付けて!」
『桧山も気を付けろよ。
藤浪に襲われないように!』
「だな!」
『ひどい!!
襲ったりしないわよ。』
「ハハハ……。」
『じゃあまた明日!』
と言って、岩崎の運転するセドリックが先に帰って行った。
「藤浪、シートベルトしてな!」
『は~い!』
そして、先程来た道を戻っていると、
『ねぇねぇ、あそこのウォーターゲートってとこ、入ってみようよ。』
「バカ!
何言ってんだよ。
あれってラブホテルだろう!」
『そうなの!?
綺麗だから見てみたい!』
「ダ~メ!
さぁ、帰るぞ!」
と言うと、都内に向けてハンドルをきった!
藤浪の家が見えてくると、
『えぇ、もう着いたの。
まだ帰りたくないよ。
もう少しドライブしましょうよ。』
「こっちは、これから帰って遣らなきゃいけないことが沢山あるの!
我が儘言わない。
さぁ、着いたよ。
また明日な!」
『は~い!
じゃあ桧山君、送ってくれてありがとう。
気を付けてねぇ。
サヨナラのキスは!?』
「ふざけてないで、早く家に入りなよ。」
『もう、冷たいんだから。
まぁ、クールな隆一君も大好きよ。
でも、美華にしばかれそうだからやめとく。
それじゃあ、バイバイ。』
と言って、手を振りながら大きな門の横にある通用扉を開けて、屋敷の中に消えていった。
~☆~。~☆~。~☆~。~☆~。~
翌日、バイトに行くと
『何、この沢山のポケットアルバム!?
見てもいい!?』
「良いよ。
同じ学部のツレ達と昨日、狭山湖の畔で花見したんだ。
そん時の写真をデジタルプリントしたんだ。」
『アッ、真優ちゃんも一緒だったんだ。
なによ!
二人してくっついて、真優ちゃんとベタベタし過ぎよリュウ!』
「怒んなよ!
俺だって、いつも逃げるのに大変なんだから!
美華、誰が良い男を紹介してやってくれよ。」
『分かったわ!
今度、真優ちゃんには良い男を紹介して、ついでにリュウに手出さない様に釘刺しとく!』
「美華、目が恐いよ!
さぁ、バイト頑張ろうぜ。
今日は、獨孤 美栄(トッコ・ミヨン)さんの日本での初ドラマ のクランクインの日だから、楽しみだしね。」
『私と河野次長で取ってきたんだからね、このドラマの話。』
「そうだね。
彼女も喜んでいたよ。
さぁ、彼女を迎えに行こうか!」
河野次長と3人で、獨孤 美栄(トッコ・ミヨン)の住むタレントのマンション寮に迎えに行き、港区の撮影所へ向かった。