KISS AND SAY GOOD-BYE
1年生 2学期
『リュウ、そんなにバイトしてたら、私たち会えなくなっちゃうじゃん!?』
「だよなぁ!
高山社長、私のバイトの時間帯に彼女もバイトでって言うのは有りですか?」
『滝本さんはどうなんだね!?
桧山君と一緒にバイトしてみるかい!?』
『はい、社長がOKならば、是非私もバイトさせてください。』
「僕からもお願いします。
勤務時間中は、公私の区別もちゃんと付けてやりますから。」
『わかった。
それじゃあ、打ち合わせには君たち2人で一緒に来てくれるかい!?』
「分かりました。」
金曜日の午後5時、俺たちは新星MUSICの第1会議室にきている。
来月の1日にオープンする新星GTSと言う名前のカラオケボックスについてミーティングが始まった。
『いよいよ来月オープンするカラオケボックスについて、いろいろと意見を聞きたい。
知っての通り、この店は全国展開に向けての第1歩だ。
GTSというのは、登竜門と言う意味の≪GATE TO SUCCESS≫から頭文字を取ったのだが、この店が成功しなければ、全国展開どころか、関東での100店舗と言う目標も潰えてしまうんだ。
普通のカラオケボックスと同じような営業形態では、とても太刀打ち出来ない。
そこで、皆で意見を出し合って、どの様な店造りにするかを決めてもらいたい。
そのための初期投資は、例え予算をオーバーしても構わない。
その代わり、必ず黒字の出せる店にして貰いたい。
それでは、今から話し合いを始めてくれ!
それから、今回のカラオケボックスの営業に参加して貰う新メンバーを紹介しておく。
高校1年生の桧山君と滝本さんだ!
アルバイトとして入って貰うが、桧山君に関しては、店長の金本君の補佐的なポジションについて貰う。』
その瞬間、会議室の中は一気にざわついて、不満をあらわにしたスタッフ達の顔が見て取れた。