KISS AND SAY GOOD-BYE
いつの間にか、11月も終わりが近づいて、毎日のバイトの行き帰りは、肌寒い。
それでも美華と、二人手を繋ぎバス停でバスを待つのは、苦にならない。
美華が、だいたい週に3~4日くらいシフトに入っているから、美華がバイトを上がる時は俺が送って帰る事にしている。
一週間後に迫ったGTSカラオケ大会の予選に向けて、申し込みも始まった。
エントリーするには、新星GTSにてDVDーRWを購入して、1曲500円にて自分の歌っているところを録画して貰わなければいけない。
まぁそれは、各部屋に備え付けの録画システムで、誰でも簡単に録画して自動的にRWに焼いてくれるんだから、手間は掛からない。
この録画システムの導入は俺の提案で、お客様の思い出になる1枚を残せるようにと考えて設置したのだが、そのシステムを利用して書類選考の代わりに活用する事になったのだ。
それを、各部屋に備え付けの申し込み用紙に記入して、一緒に提出して貰えば、それで完了だ。
そのDVDーRWを観て、新星MUSICの社内選考に通った者だけが、12月1日の予選に出られる。
今回は、350人がエントリーして、12月1日の予選に通ったのは48人である。
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いよいよ始まった新星GTS主催、第一回カラオケ大会。
1階のロビーは、カラオケ会場に変身して、出番が来るまで出場者は各部屋で練習に励んでいる。
12月1日・2日・3日の3日間で予選を行い、準々決勝に進出した人達は、12月10日に戦い、そこで優勝者が決定するのだ。
今回勝ち残った8人は、女子高生3名・男子大学生1名・OL1名・ビジネスマン1名・主婦2名だ。
そして、準優勝は日本人と結婚したフィリピン人主婦のノナ・モリエル・藤原さん(23才)で、優勝者は、女子高生の浅野麻美さん(17才)だった。
この2名は、ファイナルに進出する権利を手にしたので、無料で新星MUSICの運営する音楽スクールで、ボイストレーニング等のレッスンを受けたりする事が出来るのだ。