KISS AND SAY GOOD-BYE





俺の打った打球が310ヤード地点、フェアウェイのど真ん中に!


ここのゴルフ場は、カートを置いていない。


したがって歩いての移動だが、綺麗な景色を眺めていたら、そんな事は気にならない。


俺達の組は、俺の打球を口々に褒め合いながら『高校生なのに凄いわね!』なんて亜矢さんに言われたりして、ラウンドを進めて行った。


ハーフを終えた時点で、俺は34で回っていた。


このコースは、表示されている距離よりは多少30ヤードほど短いので、こんなもんだな!なんて考えながら歩いていた。


亜矢さんは、既に60をたたいて仕舞っている。


それでも、本人に言わすと上出来だそうだ!


金重さんは、頑張って52でハーフを終え、本堂さんは、フェアウェイ上は良かったのだが、グリーンでは苦しみパットを何度もミスったが、それでも頑張ってハーフの時点で48を出していた。


軽くドリンクを飲みながら休憩をして、10分程したら前の組が後半をスタートさせたので、俺達もそろそろ準備に取り掛かろうとした頃、亜矢さんが戻ってきた。


自分のマネージャーに着替えを貰い、トイレで着替えてきたそうだ。


見ると、先程の白のミニスカートがスラックスに変わっていた。


ヤッパリ寒かったみたいである。


そして、18番ホールも終わり、俺は今回パー72のコースを3アンダーの69で終えた。


自己最高の記録だ。


そしていよいよ表彰式。


皆、大広間で食事をしながらの閉会式で、俺はなんとダントツの1位だった。


プロを目指しているのかい!? なんて聴かれたが、そんな事は微塵も考えたことが無かった。


プロを目指すなら、こんなパブリックコースなら60前半で周れなきゃむりだよ!





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