KISS AND SAY GOOD-BYE
「そんな事、あんたに関係無いっしょ!
21時まで待つの!?
それとも帰るか!?」
男は、顔色を変えながら何かを喚き散らしながら出て行った。
『桧山君、助かったよ!
ここをオープンしてから初めてのトラブルで、パニックに成って何も出来なかったよ。
君のお陰で本当に助かった。
有難う。』
「こちらこそ、営業中に汚い言葉を使って仕舞って申し訳御座いません。
以後、気を付けます。」
『それにしても、マッド何とかって、一体何なんだい!?』
「渋谷一帯を根城にしているチーマーですよ。
この辺には、色んなチームが沢山有って、その中でも一番デカイのがマッドブラックなんです。
やってる事は、カツアゲや売春、クスリを遣ってるチームも有ります。
でも、マッドブラックはその間逆で、結構困ってる人を助けたり、喧嘩の仲裁をしたり、見回りなんかして放火しようとしてる奴や薬の売人を追い出したりしてるんですよ。
さっきみたいなのがマッドブラックに居るとは驚きました。
もし次に又来たら、教えてください。
暴れるようなら、私が如何にかします。」
『それにしても、桧山君は詳しいね!』
「ハハハ……、実はリーダーの新庄さんって人と私は、知り合いなんです。
あの人は、今のチームを立ち上げる前まで、私と一緒に空手道場に通っていたんですよ。
チームを作って、人助けとは言え喧嘩で空手を使って仕舞い破門に成って仕舞ったんですが…!」
『そうだったんだ!
さて、そろそろ込み出す時間帯だから、それぞれ持ち場に戻って今日も頑張りましょう!』
と言って店長は、皆に仕事を割り振りしていった。
それから2時間後、かなり酔っ払った先程の亀山仁が戻って来た。