KISS AND SAY GOOD-BYE




「お前、お前ってねぇ、俺には桧山って名前が有るんだよ!

このネームプレートが見えないのか!?

あんまりしつこいと、本当に新庄さんに電話しますよ。

ハッキリ言っときます。

俺と新庄さんは、義兄弟の関係だから。

あの人は、この街を良くしたい為にチームを作ったって分かってんの!?

あんたが、こんな半端なことをしていたら、あの人のリーダーとしての立場が地に落ちてしまうのが分かんないのか!?」


『そんな事、分かってんだよ!

でも、お前が女の前で俺に恥をかかしやがったから、腹の虫が治まらねぇんだよ!

表出ろや!

俺と勝負しろ!』


「あんたも、本当に物分りの悪い男だな!

そんな事して何の意味が有るって言うんだよ!

仮に、今俺と勝負してもしあんたが負けたら、それこそ恥になるんじゃないのか!?

いい加減気が付けよ!

俺とあんたじゃ勝負にならないよ!

俺は、新庄さんと同じくらい強いぜ!

これでも10年以上、新庄さんと一緒に極真空手を遣ってきたんだぜ。

俺は、喧嘩をしたら破門に成ってしまうけど、それでもあんたがお店に迷惑をかけるようなら、正当防衛と言う事であんたを叩きのめす事だって出来るんだからな!

分かったら帰ってくれないか!?」


『喧しい!』


と言って、亀山はカウンターの上に有る備品を叩き落して、観葉植物の植木を片っ端から倒して行った。


俺は、直ぐにカウンターからロビーに出て、男の胸倉を掴んで表に放り出した。


そして、


「いい加減にしないと、仕舞いには……」


『おい、どうしたんだ!?』


「新庄さん!」
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