KISS AND SAY GOOD-BYE
梨泰院(イテウォン)で食事をして、まったりとした時間を過ごした俺達は、新大久保から電車に乗って、西部新宿に着いた。
南口から出たら、目の前に大きなボウリング場が有る。
その向かいに在るのが、新星グループが所有するNS-2ビルである。
そこの1階から5階は、新星MUSICが経営する貸しスタジオで、その地下にライブハウス≪SUCCESS≫が在る。
中は、150坪の広さで、オールスタンディングだ!
右側には5mのカウンターが有り、正面のステージでは最高12人での演奏も可能なくらいのスペースがある。
左側には、VIP用のボックスが2つあり、ステージ横にはバンドたちの控え室まで有った。
今日は、このライブハウス≪SUCCESS≫でウィンターライブが行われるのである。
入り口でチケットを渡したら、半券と一緒にライブパンフをくれた。
アマチュアバンドは殆ど知らないので、バンド名を見ても知らない名前ばかりであった。
会場入り口の上にはコントロールルームが有り、スポットライトやその他各照明の操作や、音響を調整したり出来るようになっていると書いてあった。
そこから、ステージを録画したり録音したりも出来ると書いてあった。
最高300人収容出来る会場で、都内ではかなり有名なライブハウスである。
美華と一緒にカウンターに行って半券を渡したら、1ドリンクサービスで貰える。
スタンプを押した半券を返してもらい、7時になるのを待っていた。
暫くしたら、VIP用のボックスに高山社長が、数人で遣ってきて座っているのに気が付いた。
「高山社長、こんばんは。
今日は、チケット有難う御座います。」
『おう! 桧山君か!
来てくれたんだね。
どうだね!?
なかなか良いライブハウスだろ!?』
「はい、凄いですね。
ちょっと驚きました。
こんだけのキャパがあったら、観客動員が大変でしょう!?
少ないと、運営していくのは勿論大変でしょうが、演奏者もショックですよね!」