KISS AND SAY GOOD-BYE
『そうだね!
だから、出演するにはある程度の実力が無いとこっちから断るんだよ。
後は、うちで育てているバンドマンも、実力が付いてきたら、ここで初ステージを踏むと言うのも恒例になっているんだよ。
今日も、うちのバンドが2グループ出場するんだ。』
「そしたら、いずれはその人達もメジャーデビューしたりするんですか!?」
『それは、彼等次第でしょ!
最初頑張ってライブ出来ても、その後の進歩が無けりゃデビューどころか観客ですら見向きもしなくなるからね!』
「シビアな世界ですね!
それ以外で、今日の注目バンドって有りますか!?」
『いるよ!
デモCDを事務所に送ってきて、参加させてくれって頼んできたバンドが有るんだけど、60年代のサウンドを基調としたロックバンドで、滋賀から来てるんだよ。
OLD RIPSって言うバンドなんだが、ここのボーカルがなかなか味のある声で、メロディーや歌詞が結構良いんだよ。』
「社長のお勧めって事は、彼等もデビューの可能性が!?」
『いや!
彼らは、趣味の一貫として楽しんで遣っているだけなんだよ。
まあ、まだ高校1年生だから将来の事は分からないけどね!』
「って事は、俺とタメか・・・」
そして始まったウィンターライブ!
都内でも実力のあるバンド達が、ドンドン演奏していき、会場内が熱気で包まれていった。
そして登場してきたのがOLD RIPSのメンバー。
4人組みのバンドで、ベースは女性だ!
ギターの西川君は、かなりのテクニックを持っていた。
ボーカルの川口君は、高山社長が言った通り独特の声で観客を魅了していた。
Proud Of You,Change,Beauty Womanと3曲演奏したが、かなりの腕前だった。
特に、真っ赤なベースを持ったセミロングのストレートヘアーの彼女(まっつさん)は、観客を魅了する不思議な音を聴かせてくれた。
かなりのリズム感で、ギターとの絶妙の掛け合いを見せてくれた。
ドラムのTAKESHI君は、R&Bからブルース、ハードロックとどんなリズムも叩けちゃうマルチドラマーだそうだ!