KISS AND SAY GOOD-BYE




「正直に話しても怒らないで下さいね。

今日の会議の内容なんですが、聞いていて兎に角つまらなかったです。

桧山君から、会社の資料を貰って、ある程度は新星グループの業務内容を把握していましたから、今何が必要で何が不必要かを自分なりに今日まで考えて、会議を聴いていました。

しかし、長年この会社で働いているスタッフから出てきた会議の内容は、ただの時間つぶしにしか感じられないような内容の物ばかりでした。

やれ巨乳ブームだから、巨乳アイドルを育てようとか、グラビアアイドルのPVもインターネットで配信しようだとか、会社の利益を増やす為にも株に投資して見ようだとか、それってどう思いますか社長!?」


『ハハハ…、手厳しいね滝本ちゃんは!

確かに聞いていて呆れるほど情けない内容だな!

じゃあ滝本ちゃんは何か良いアイデアでも有るのかい!?』



「アイデアって言うより、進言したい事が有ります。

以前桧山君にも話したんですが、現状の新星グループを日本で確固たる位置に持っていきたい。

そのためにも新たな何かを始めたいと言われていたと聞きました。

しかし、私が思うには新しい何かを始めるには、基盤固めが不十分だと感じています。

そう感じたのは、私達が通う学校にヒントが有りました。

学校と言う所は、団体生活をしながら色んな事を学び生活していく小さな会社の様な物だと思っています。

そこには、歴史もあり新たな事にも挑戦もしていき、生徒一人一人の戦いもあり、それは試験だったり、文化祭だったり、総体だったり、甲子園だったり、様々です。


そこには、校長と言う社長が居て、教頭と言う専務がいて、学年主任と言う部長がいて先輩後輩、同級生と言う同僚がいます。

彼らが、色んなことに挑戦できるのは学校と言う基盤がシッカリしているから出来るので、それはこの会社でも同じことが言えるのです。

高山社長、今のこの会社、基盤がシッカリ出来ていると思いますか!?」

< 72 / 245 >

この作品をシェア

pagetop