KISS AND SAY GOOD-BYE
『……』
「私は、ガムシャラに頑張ってきた社長だから頑張ってここまで大きく育ったと感じますし、凄い事だと思います。
でも、箱を作って中身も出来ているのに、1つ1つの箱がきちんと連結されていないと積み木の様に簡単に崩れてしまうと思うのです。
だから、新事業の前に今一度新星グループの各事業をそれぞれ充実させて基盤固めをきちんとしてからでも遅くないのではないでしょうか!?」
と長々と話している間、じっと話を聴いていた高山社長が、漸く口を開いた。
『確かに、滝本ちゃんの言うとおり会社ばかり大きくなってしまったみたいで、中途半端のまんま先に進んでしまった結果、私が考えても充実しているのはカラオケの新星GTSくらいだよなぁ!
それも桧山君たちのお陰で。
まぁ、だから君達をこの会議に参加して貰ったわけだが!
基盤固めというのは、そうたやすいものじゃないんだよ。
時間もお金も凄く掛かるし、そのためには人材も必要になってくる。
そこでだ!
どうすれば、その両方をクリアできると思うかね!?
新事業イコール基盤固めになる何かを考えて欲しい。
高校生にこんな事を聞く社長の私は、情けない話何も思い浮かばないんだよ。
韓国で遣るなら、それなりにノウハウがあるけど、ここ日本ではまだまだ韓国人として遣り辛い部分も有るし、理解してもらえない部分も残っているんだよ。』
「社長、良いですか!
実は、このお話を貰ってから昨日まで色々と自分なりに考えてきた案が1つだけ有ります。
しかし、それは特に新しいというか斬新なアイデアって訳では有りません。
何処でも遣っている事なんです。
そして、美華じゃなかった滝本さんの意見をふまえたら、ある1つの事を思いついたのです。
それは、韓国人だろうが日本人だろうが関係なく出来る、とっても簡単なものなんです。」
『勿体つけないで早くそれを教えて欲しいな!』