KISS AND SAY GOOD-BYE





『それでは見せて貰おうかな!』


「はい!

こちらの封筒を!」


『ほう!

3部に分けて書いて来たんだね!

提案書と、戦略と戦術、それに最後のは……絵コンテじゃないか!

これは滝本ちゃんが描いたのかい!?』


「はい!

そうです。」


『さすがデザイン科!』


「エヘヘ……

父の知り合いの広告代理店の人に放送時間枠毎の料金を聞きに行った時、思い付いたんです。

そして、CMディレクターに絵コンテの書き方を教わり、自分なりに作ってみました。」


『なるほど!

うちのタレントを起用してのCMか!

なかなか面白いCMになりそうだね!』


「如何ですか?」


『今回、うちの社員から公募した企画の中に、君たちと良く似た企画が上がっているんだよ。

呼んでおいたから、もう直ぐ来ると思うよ。

彼に、今回の新事業のチーフになって貰い、彼の部下5名と君達2人の計8名で最終的な企画書を完成させて、来月からは、この新事業をスタートさせようと思っている。

どうかね!?

やってくれるかい!?』


「僕達で宜しければ喜んでお引き受けします。」


『滝本ちゃんは!?』


「私も頑張ってみます。」


コンコン!


『やって来たな!

どうぞ!』


「失礼します。」


『まぁ座りなさい。

古田君、この子たちは知り合いの高校生で、今うちの会社でアルバイトをしてもらってる桧山くんと滝本ちゃんだ!

君の企画書を見せて貰い、採用が決定したよ!』


「本当ですか?

ありがとうございます!」


『でだ、この子たちが書いて来た企画書も君の企画書と良く似ているので、君の直属の部下5名とこの子たちの8名で、新事業をスタートさせて貰いたい。

高校生だけど、頼りになる子逹だから、良く話し合って結果を出してくれ!

桧山くんと滝本ちゃん、彼は営業三課の古田係長だ。』


「はじめまして!

武蔵野芸術高校の機械科2年、桧山隆一です。」


「同じくデザイン科2年、滝本美華です。」
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