KISS AND SAY GOOD-BYE




まさか、俺が初めてエッチした相手と同じ仕事場とは……!


それも今カノと一緒に居る時に再会するって有り得ねぇだろ……!


美華の目の前で、いきなり肩組んで来るし!


古田係長に救いの目を向けたら、目を逸らすし……!


食堂に行くと、美華が凄い目で俺を睨んできた。


俺は、出来るだけ平常心を保ちながらランチセットを手に、美華の座っているテーブルへと向かった。


「なぁ美華、何怒ってんだよ!?

あの人は、昔うちの隣に住んでいた人で、音大に通っていたから音楽の話を良くしていて仲良くなったんだよ。

ちょっと馴れ馴れしいけど、美華が考えているような関係じゃ無いんだよ。」


『嘘つかないで!

こんなの見れば分かるわ!

私に嘘付いて誤魔化す気!?』


「……ご…ごめん。

中学ん時に遊びで…、俺の最初の相手…って言うか、初体験の相手。」


『で?』


「で?って?」


『今も関係有るの!?』


「んな訳無いよ!

俺が高校に入る前には、彼女にも新しい彼氏が出来ていたし、俺も受験や空手の大会やらで忙しかったから、別れてたよ!」


『ふ~ん…

で、久しぶりに会った感想は!?』


「感想もくそも無いよ!

驚いたし、焦ったし…兎に角、昔の事だから機嫌直してくれよ!」


『分かったわ!

その代わり、絶対に浮気しないでよね!

リュウに裏切られたら、私マジで切れちゃうかもよ!』


「浮気って!

美華が居るのに、他の女性に行くなんて有り得ないし!

約束するよ。

絶対に美華に悲しい思いはさせないから。」


『なら許してあげる。

彼女がもしリュウにチョッカイ出したら、絶対に許さないんだから!』


「美華!

顔が怖いよ!」


『リュウも、あの女とは仕事以外で会わないでよね!

分かった!?』


マジで怖ぇ!

美華ってこんなキャラだったっけ!?



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