KISS AND SAY GOOD-BYE
社長との電話を切ってからも、俺の頭の中ではケータリングの会社新設の事でいっぱいになっていた。
時計を見るともうすぐ11時半である。
そろそろ美華を迎えにいかなきゃ!
慌てて準備を済ませて、バスに乗り美華ん家に!
12時少し前に到着して、彼女の携帯に電話した。
「モシモシ美華!
今、美華ん家の前に着いたよ。」
『分かった。
直ぐに出るから!』
と言うと、直ぐに電話は切れて1分もしないうちに美華が現れた。
「いゃあ~、凄く可愛いね!
今日の美華は、いつもの数倍は可愛い。
学校から直接バイト先に向かっていたから、いつもラフな格好だけど、やっぱりお洒落すると雰囲気変わったよ!」
『そう!?
有り難う♪
そう言うリュウだって、いつものカジュアルな雰囲気とは変わって、何かシックな感じで大人っぽいね♪』
「何か、お互いに誉めあって端からみたらバカップルだよなぁ俺達。」
『へへへ!
良いじゃん今日くらい。
イブなんだから。』
「そうだね。
じゃあ、腕組んで行こっか!?」
『何か照れるね。』
と言いながらも、俺の腕に腕を絡めて二人寄り添うようにバス停まで歩いて行った。
新宿通りの新宿御苑前でバスを降りて、目の前に在るのが、カラオケ【メロディ館】だ。
ここのカラオケに予約しているのだ。
店内はほぼ満室状態で、予約して大正解だった。
受付を済ませてエレベーターに乗って5階へ!
一番奥の部屋に入ってやっと人心地ついた。
「美華、何を飲む?」
『えっとねぇ、ホット抹茶ラテ。』
俺は、部屋に備え付けの受話器型のインターフォンを取り、
「スミマセン、520号室ですけど、ホット抹茶ラテとホットコーヒーをお願いします。
それと、ベジタブルクランチとキノコとベーコンのピッツァもお願いします。」
と注文をしてから、リモコンを操作して自分の得意な洋楽の曲を入れた。