KISS AND SAY GOOD-BYE
2年生 冬休み
冬休みだ!
スノボーしに北海道に行くぞ!
カニ食べ放題に行くぞ!
イクラと鮭の親子海鮮丼も食べちゃうぞ!
『桧山君、この冬休みの間に食材のフレッシュローテーションから、仕入れ先の選定まで、食材に関する事を責任者として冬休み中はしっかり頼むね。
正月だけは2日間休むあげるから!
滝本美華さんとうちのスタッフの計5人で動いてくれ。
残りの5人のスタッフで、調理に関する事で動いてもらうから。』
「俺の冬休みの計画が……」
『桧山君、何か言ったかね!?』
「はぁ……、この冬休みに家族で北海道に行こうって話になって、親父の塾の生徒達も引き連れての旅行で、美華も一緒に連れて遊びに行こうかなぁなんて計画が……」
『お父上の黄 志元(ファン・ジウォン)先輩には、私の方から連絡しておくから、心置き無くバイトに精を出してくれたまえ!
ハハハ……!』
「社~長~!
あぁ~ぁ、ケータリング会社を立ち上げるって話が、ついこの間持ち上がったばかりなのに……。
始動するのって来年度くらいかと思ってましたよ。」
『思い立った時がチャンスの時かも知れないから、その気になってる時に直ぐに始動すれば、十分な調査も出来るし、しっかり準備が出来るだろ!
北海道なんていつでも行けるじゃないか!
新会社設立なんて、その気になってる時にでさえ、なかなか出来る事じゃ無いんだから。
頑張ってくれよ。
その代わり、来月末迄に準備が完了すれば、2月にわが社の慰安旅行が有るから、それに連れていってあげるよ。
場所は、野沢なんだけどどうかな?
金曜日の夕方に出発して日曜日の夜には戻ってくるんだけど、土曜日はまるまるゲレンデで過ごせるし、ナイターもやってるから、十分滑れるんじゃないかな!?
翌日も、昼間でなら滑れるよ。』
「分かりました。
1月末迄に準備してみせます。
その代わり、約束ですよ!?
連れていって下さい。」
『任せなさい!
温泉もあって、スキー場は目の前に有るし、滝本美華さんも一緒に連れていってあげるから。
うちの家族も一緒に行くんで、息子のチャンスと、娘のハヌルちゃんの子守りもさせてあげるからね!』
「それって、押し付けてるだけじゃないですか!」
『ハハハ……!冗談冗談。
兎に角、1ヶ月である程度のところまで目処がたつように頼むよ。
時給は、来年から倍の1時間2,000円出すからね。』
「そんなに貰えるんですか!?
それだと、下手したら1ヶ月のバイト代が30万円越えちゃいますよ。
社員並みじゃないですか!?」
『まぁね♪
でもまぁ、社員並みに頑張ってくれてるんだから、それくらい出しても会社としては損は無いって思ってるんだよ。
だから、結果を楽しみにしているよ。
勿論、私の方でも色々と調査もするし、それと君達が遣ってくれてる起業準備を照らし合わせながら、計画していくけど、会社の場所はもう決まっているから。
現在、港区浜松町の芝公園の近くに倉庫となる冷凍庫と冷蔵庫、それに隣接した3階建ての事務所となるビルを建設中だから。
来年の夏にはNSフーズとしてスタートさせたいからね。』