【短編】十分間の会瀬
 近付く訳でもない、声をかける訳でもない。

 この人が好きだというのは事実だけど、だからどうしたいという事もない。

 むしろ、私が声を掛けることでこの人の世界をつついてしまったら…
 私が好きな彼が居なくなってしまったら…
 そんな恐怖が頭を掠める。

 ただの固執だと言われたら、その通りかもしれない。

 ただ、見てるだけだ。
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