Love story of the truth
~告白~本音
恋していると気付いた瞬間に、俺は柚希を抱き締めていた。
柚希を腕の中で感じながら、

「おはよ。」

髪を撫でて、さらに強く抱きしめる。

「ユキ・・・苦しい・・・。」

柚希の一言で、腕の力を緩めた。
「わりぃ・・・。もう少しだけ・・・こうしてて。」

抱き締めたまま、俺は柚希に訊ねた。

「なぁ・・・俺の事、好きか・・・?」と・・・。

柚希は、(まだわからない。)と言うだろう。そう思って聞いたはずだったのに・・・

「うん・・・好き・・・だよ。」

柚希の答えは、予想外だった。

「俺が・・・どんな奴か知っているのにか?」

予想外の答えに、こんな事を聞いていて馬鹿だと思った。
好きだと言われたら、素直に喜べばいいはず・・・。
“ありがとう、俺もだよ。”とか言えばいいこと・・・。

「うん・・・。近くに居てほしいって言ったのは、ユキなのに・・・。今さら、そんな事を聞く?どんな奴かなんて、まだわかんないよ。これから・・・でしょ?たくさん女が居るからって、悪い人じゃないと・・・思う。ユキが私だけじゃなくても、ユキを好きになっちゃったんだ。もう止められない・・・それと、ユキはどの女よりも私を大切にしてくれるんでしょ?」
「あぁ・・・そのつもり。」

「だったら・・・それだけでいい。」

俺も好きだ・・・。
とは言えなかった。
そう言ってしまえば、まだ縁を切るつもりのない女達がいる事で柚希を傷つけるのは嫌だからだ。




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