Love story of the truth
しばらく・・・抱き合っていた身体が少しだけ離れて、そっと唇にユキの形のいい唇が触れた。
すぐに離された唇。
そのまま私は固まっていた。
軽いキスなのに、今までに感じたことのない激しい胸の高鳴り。
キスだけで、こんなにドキドキするなんて・・・。
これが、まるでファーストキスかのようにトキメクなんて・・・。

見上げた先には、睫毛の一本一本まで見え至近距離にるユキの顔があった。
ほんの少しだけ見つめあっていると、再び唇が重ねられた。
閉じた瞼に触れるユキの黒髪がくすぐったくて・・・だけど、その感覚も悪くない。

角度を変えて、再び重ねられた唇の隙間から・・・ユキの舌が割り込んでくる。
私の舌を絡め取っていく。ユキの舌に翻弄されて・・・思考回路にストップをかける。
背中に回した手を、Tシャツの裾から中へ入れてると、昨夜・・・触れた時よりも温かく感じて、その温かさが心地よくて何度も何度も背中を擦るように触れた。
その度に、ユキの手が首の後ろから髪を掬うようにして何度も何度も髪を撫でる。その感覚さえも気持ちいいと感じる。
ユキが角度を変えようと、唇を離すたびに“もっと・・”と言ってしまっている自分に戸惑いながら・・・ユキのキスに溺れていく。


長い長いキスの後、ユキは強く抱き締めて。

「柚希・・・絶対に離さねぇ・・・。」

髪に指を絡めた。






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