Love story of the truth
~優しさ~
翌朝、目が覚めるとユキの姿はなくて・・・
ベッドの脇には、脱ぎ散らされていたはずの服が綺麗に畳まれてあった。
ユキが畳んでくれたんだと思うと、気恥ずかしくなった。
その服を着て、リビングに行くとテーブルの上に手紙があった。
“おはよう。
仕事行って来る。
スペアキー置いていくから。
この鍵は、ゆずのだから。
ゆず、大好き。 幸永“
と男の人にしては綺麗すぎる字で書かれていた。
ユキがくれたスペアキーを自分のキーケースにつけて、鍵をかけて部屋を出た。
バスで繁華街近くのバス停まで行って、駐車場までの道を急いだ。
車で自分の部屋に着くと、シャワーを浴びて一息ついた時にユキから電話がかかってきた。
「今、どこ?」
「さっき、自分の部屋に帰って来たところだよ。
「そっか。無事に帰ったみたいで安心した。ところで今日、バーに行っていいか?」
「うん・・・いいよ。」
「仕事終わったら、すぐに行くよ。」
「うん・・・待ってる。」
電話を切った後、ユキの女になったんだと改めて感じて・・・嬉しかった。
それから、少しくつろいだ後・・・用意して繁華街に向かった。
バーに着くと、既に来ていたトオルさんに肩を抱かれて・・・昨日の夜に車が停まっていた事を問い詰められた。
「昨日の夜、いいワインを仕入れたから・・・早速、店に持って来ようと思って来てみたら駐車場に柚希の車があってさ・・・。どこに行ってたのかなぁ?」
トオルさんに私の口からユキとの事を言うのに躊躇っていると・・・
「もしかして・・・幸永となんかあった?」
と聞かれて驚いてしまった。
相変わらず、勘がいいトオルさんに嘘はつけないと思った。