Love story of the truth

「明後日から、繁華街のトオルさんのバーで働くんでしょ?大丈夫?」

「うん。大丈夫でしょ。」

半月前まで働いていた飲食店で虐めに合って辞めた私は、明後日から学生の時にバイトしていたダイニングバーでお世話になったトオルさんの店で働く事になった。

繁華街という事で心配してくれた親友の実花と、一人暮らしをしている私の部屋で話している。

「それなら、大丈夫だと思うけど・・・変な男に引っかからなうようにね。」

「わかってるよ。」

実花は中学生の時からの仲良しで、いつも私の味方でしっかり者。まるで私の姉のよう。

「気が向いたら、彼氏と飲みに来てよ。」

そう言った私に微笑んで、

「そうだね。トオルさんにも久しぶりに会いたいし、行くよ。」

と一緒にダイニングバーで働いていたからトオルさんの事を知っている実花が言ってくれた。



私は、小川 柚希。24歳。
今まで、心から愛した人はいない。
たまたま・・・そういう人に出会わなかっただけ。だから、心から愛する人と出会えた実花が羨ましい。いつか、そんな人に出会いたいと思っている。
虐められていた前の職場で付き合った人なんて、私が虐められている事を見て見ぬふりをして・・・絶望して辞める時に別れを告げた。しつこく別れを拒まれたけれど・・・。
私の出会う男は、そんな情けない頼りない男ばかり。
イケメンで頼れる、肉食系な男と本気の恋をしてみたい。こんな事を実花に言うと、笑われるのはわかっているから…言わない。



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