Love story of the truth
「実は・・・」
とユキとの事を全部、打ち明けた。
「そうか・・・。アイツがね。それだけ、柚希を好きになってしまったって事だな。」
何だか、照れくさくて俯く私にトオルさんは頭を撫でて言った。
「アイツの事、頼むわ。モテるし、今までの事を考えると面倒な事に巻き込まれる可能性もあると思うが・・・。アイツがちゃんと守ってくれるさ。アイツは、本気で惚れた女には一途だからな。」
そりゃ・・・モテるよね。
田舎の繁華街なんかでも、目立つルックスだし背も高いし・・・ここが都会だったらスカウトされてもおかしくないよね。
それに比べて私は、何処にでもいるような普通な感じ。
可愛いわけでもない。
思わず、溜息をついていた。
そんな私を見ていたトオルさん。
「柚希・・・どうせ、幸永には釣り合わないとかって思ってたんだろうが・・・お前は俺が思うに、可愛いと思うぞ。笑顔なんか凄くいいし、明るいし、客に対しての気配りは見習うべき所がたくさんあるし・・・もっと自分に自信持てよ。」
そんな風にトオルさんが思っていてくれたんだと思うと、とても嬉しかった。
私は、大きく頷いて御礼を言った。
店の準備を整えて、オープンしてすぐに前の店でも常連さんだった・・・すみれさんが来てくれた。
すみれさんは、綺麗でスタイルも良くて、何でも相談できる人。実花とは、また別のタイプのお姉さん的存在。
今日は、トオルさんに私がここで働く事を聞いて来てくれたらしい。
そんな、すみれさんとトオルさんと他愛もない会話をしていると店に扉が開いた。
その瞬間、ユキだとわかった。
走って来てくれたのだろうか息が切れている。
何だか嬉しくなった。
カウンターに座ったユキに、
「お前・・・柚希のこと大切にしてやれよ。」
トオルさんが言った。
驚いた顔をしているユキに小声で、
「ごめん・・・話しちゃった。」
フッと笑って、煙草に火を点けた。
「今日、トオルさんに話そうと思ってたから手間が省けた。」
そう言うと、煙草を咥えながら、片手でネクタイを緩めた。
その仕草が色っぽくて見惚れてしまう。