Love story of the truth


それを見ていたすみれさんが、

「もしかして・・・柚希の彼氏?」

私に聞いて、ユキの隣に座った。
頷いた私に、ユキが

「ユズのオリジナルカクテル作ってよ。」

隣に座るすみれさんに挨拶をした。
私がカクテルを作っている間、ユキとすみれさんは何故か私の話で盛り上がっていた。
前の店での私の失敗談や過去の男の話をするすみれさん。
だんだんと恥ずかしくなってきて、

「もう・・・すみれさん!そこまでです・・・!」

と言って出来上がったカクテルをユキに出した。

「いいじゃん。色んな柚希の一面を話してるの。しっかりしてそうに見えて、実は鈍くさくて・・・天然で・・・以外と純粋だったり、凹みやすかったりとか・・・。」

全部、当たっているだけに反論できない私にユキが、

「このカクテル・・・うまっ!」

と…優しく微笑んでくれた。

「ユキの香水の香りをイメージして作った。ありがとう。」

微笑み返すと、

「柚希のこと、泣かせたら許さないからね。」

すみれさんがユキの肩を叩いた。

「任せて下さいよ。泣かせるような事はしませんから!」

すみれさんに言ってくれた。
その言葉が、ものすごく嬉しくて泣きそうになった。
涙を堪えて、4人で他愛もない会話を楽しんだ。

その会話で、ユキの知らなかった事を少しだけ知る事が出来た。
実家がお寺だという事、それが原因で結婚まで考えた人と別れてから特定の女は作らないと決めた事、いつかはお寺を継ぐために3年位は修行に行かなくてはいけないという事、
今まで気にしていなかったけれど・・煙草はマルボロのアイスブレストで、話を聞いている時は首筋を触る癖がある事、指が長くて大きくて綺麗な手をしている事、ワインが苦手だという事。
こんなどうでもいい事を知れた事が凄く新鮮で、大切に思えた。

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