Love story of the truth


運転席に乗り込んだ私は、エンジンをかけて発進させた。


ユキの車の中に流れるいつもの洋楽が響く中、
彼女が後部座席から身を乗り出している。


「ごめんなさい・・・邪魔しちゃったね・・・。」




その言葉にユキは彼女の額にデコピンして、全くだ・・・と呟いた後、




「よく考えたら、冷蔵庫に何もねぇわ。スーパー寄って。」


と・・・いつものように煙草のカプセルを潰して火をつけた。


「それ、早く言ってよ!」


横目でユキを見て言って、赤に変わった信号の手前でウインカーを左に出した。



「わりぃ・・・。」


煙を吐いたユキを軽く睨んでいると・・・
身を乗り出したままの彼女は、私達を見て笑っていた。



「お前な・・・笑うな!」


そう言ってまたデコピンしたユキが、


「コイツは、俺の会社の派遣社員の・・・」


と言いかけた時、


「谷本 ルナです♪紹介遅れて、すいません。」


と挨拶してくれた。




青の変わった信号を確認して、左にハンドルを切ってから、


「私は、小川 柚希。よろしくね。」


バックミラー越しに彼女を見て挨拶すると、こちらこそ。と微笑んでくれ
たのを見ていたユキ。




『それより…お前さ、元カレにストーカーされてんのか?』



備え付けの灰皿で煙草を消ながら聞いた。







< 34 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop