Love story of the truth
運転席に乗り込んだ私は、エンジンをかけて発進させた。
ユキの車の中に流れるいつもの洋楽が響く中、
彼女が後部座席から身を乗り出している。
「ごめんなさい・・・邪魔しちゃったね・・・。」
その言葉にユキは彼女の額にデコピンして、全くだ・・・と呟いた後、
「よく考えたら、冷蔵庫に何もねぇわ。スーパー寄って。」
と・・・いつものように煙草のカプセルを潰して火をつけた。
「それ、早く言ってよ!」
横目でユキを見て言って、赤に変わった信号の手前でウインカーを左に出した。
「わりぃ・・・。」
煙を吐いたユキを軽く睨んでいると・・・
身を乗り出したままの彼女は、私達を見て笑っていた。
「お前な・・・笑うな!」
そう言ってまたデコピンしたユキが、
「コイツは、俺の会社の派遣社員の・・・」
と言いかけた時、
「谷本 ルナです♪紹介遅れて、すいません。」
と挨拶してくれた。
青の変わった信号を確認して、左にハンドルを切ってから、
「私は、小川 柚希。よろしくね。」
バックミラー越しに彼女を見て挨拶すると、こちらこそ。と微笑んでくれ
たのを見ていたユキ。
『それより…お前さ、元カレにストーカーされてんのか?』
備え付けの灰皿で煙草を消ながら聞いた。