Love story of the truth

いつも通り、バーに向かって繁華街の隅を歩いていると・・・

見たことある女の人に声をかけられた。


よく見ると彼女はあの日、ユキと腕を組んで歩いていた女の人だった。





「貴女・・・ユウの彼女よね?」


彼女が言ったユウとはすぐにユキの事だと理解できた。
ルナちゃんから、ユキの偽名だと聞いていたから。



「そうですけど・・・何か?」


「まさか・・・繁華街でも有名なユウが特定の女を作るなんてね。噂になってるわよ。
どうやって、あのユウを落としたの?」


「・・・別に落としたつもりはないですけど・・・。」


「へぇ~・・・この街ではね、ユウに声を掛けられて・・・一夜でも共にする事は女として誇りなのよ!だから、この街の女はみんな・・・ユウに気に入られようと必死だったのに・・・貴女が・・・この街の女からユウを奪ったのよ!」



「そんなことを・・・言われても困るんですけど・・・。」


そう言った私に平手打ちを食らわして、


「ユウの女じゃ居られなくしてあげるから、覚悟してなさい!」


とだけ言って、ヒールの音を響かせてネオンの中に消えて行った。



彼女の姿が見えなくなってから、鞄から鏡を出して顔をチェックしたが、真っ赤になってないし・・・腫れてなくて、ひと安心して足早にバーへ急いだ。




仕事中、ぼんやりとユキに言うべきか悩んでいた。


何かあったら言えよ!と言われたけれど、何だかんだでルナちゃんを送ってから、よくバーに来てくれるし大丈夫だろうと思い、

悩んだ挙句・・・言わない事にした。


だけど・・・胸騒ぎだけは消えなかった。
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