Love story of the truth
その日から、特に何も起こることなく1カ月が過ぎた。


密かにユキが、ルナちゃんが言っていた怪しいクラブの事を調べてくれていた。

そのクラブは表向きは普通のクラブだけど、裏では覚せい剤や麻薬に取り引きがされていて、使用者達や売買者達の溜り場になっているらしい。





「谷本がさ・・・トオルさんのバーに行きたいって煩いから連れて来た。」


そう言ったユキに、


「ありがとう。」


とニコニコしているルナちゃんに微笑むと、


「今日は、取引先との接待あるから送ってやれねぇけど、タクシー捕まえて帰れるな?」


そう言うと、頷いたルナちゃんを確認した後・・・私に視線を向けた。


「ごめんな・・・ユズ。」


「謝らなくてもいいのに・・・。終わったら来てくれる?」

と聞くと、


「そんなに遅くならねぇと思うから、終わったら来るよ。」

優しく微笑んで店を出て行った。



ユキが出て行った後、トオルさんが私の背中を軽く叩いた。



「寂しそうな顔してるぞ。」と言って。


「それにしてもさ・・・幸永は柚希と付き合うようになって変わったよ。」


とルナちゃんのカクテルを作りながら呟いた。


「私も、ゆっきーは変わった気がしてた。よく笑うようになった。」


頬杖をついて、私を見つめてそう言ったルナちゃんに、


「そうなの?」


と聞くと、大きく頷いた。



出来あがったカクテルをルナちゃんに出したトオルさんが、


「そうだな、さっきみたいな優しい笑顔なんて・・・再会してから俺は見た事ないな。」


と言って私の頭を撫でて、


「柚希が、アイツを変えたんだ。ありがとな。」


そう言ってくれた。



私が、ユキを変えたなら・・・私もユキに変わらされた気がする。


寂しがり屋になった・・・。


一人の部屋が嫌いになった。

ユキの温もりがないと熟睡できなくなった。

だけど・・・これが心から好きだって事なのかな?と思う事がある。

私は・・・今、幸せ。
< 40 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop