Love story of the truth
「お前ら・・・ユズに何してんだ!?」
爆音の響く店内の奥の部屋の扉を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは・・・
ユズの上に乗ってユズのシャツを脱がそうとしている男と、その光景を映している愛華の姿だった。
振り返って、俺を見て固まっている愛華に近づいて、ビデオカメラを奪い取って投げ捨てて・・・
手を止めて見ていた男をユズの上から引きずり下して、思いっきり股間を蹴り上げた。
蹲っている男の胸倉を掴んで殴ってから、投げ捨てたビデオカメラを踏み付けた。
「愛華・・・俺の女に何をした?」
「・・・ユウが悪いのよ!私じゃなくて、こんな女を選んだりするから!」
「ふざけんじゃねぇ!だからってな・・・ユズに手を出すな!」
そう愛華に言った時、俺の背後に気配を感じて・・・
殴りかかって来ようとした男をよけて、男の腹を殴った。
「幸永!そこまでだ!後は俺らに任せて、お前は彼女を連れて帰れ!」
背後から、刑事をしているダチの匡佑(きょうすけ)に言われて、
「あぁ・・・。頼んだぞ!」
と言って、ボーっとしているユズを抱き上げて、
「愛華!ユズに薬は、飲ませてねぇだろうな?」
そう聞くと、
「薬は飲ませてないわ・・・。」
と不敵な笑みを浮かべた。
「そうか・・・お前のその言葉を信じてやる!その代わり、俺にもユズにももう二度と近づくな!」
そう告げて、警察に踏み込まれて静まり返った店内を抜けて・・・クラブを後にした。