Love story of the truth

「お前ら・・・ユズに何してんだ!?」


爆音の響く店内の奥の部屋の扉を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは・・・

ユズの上に乗ってユズのシャツを脱がそうとしている男と、その光景を映している愛華の姿だった。


振り返って、俺を見て固まっている愛華に近づいて、ビデオカメラを奪い取って投げ捨てて・・・
手を止めて見ていた男をユズの上から引きずり下して、思いっきり股間を蹴り上げた。


蹲っている男の胸倉を掴んで殴ってから、投げ捨てたビデオカメラを踏み付けた。



「愛華・・・俺の女に何をした?」


「・・・ユウが悪いのよ!私じゃなくて、こんな女を選んだりするから!」


「ふざけんじゃねぇ!だからってな・・・ユズに手を出すな!」


そう愛華に言った時、俺の背後に気配を感じて・・・
殴りかかって来ようとした男をよけて、男の腹を殴った。




「幸永!そこまでだ!後は俺らに任せて、お前は彼女を連れて帰れ!」


背後から、刑事をしているダチの匡佑(きょうすけ)に言われて、


「あぁ・・・。頼んだぞ!」


と言って、ボーっとしているユズを抱き上げて、


「愛華!ユズに薬は、飲ませてねぇだろうな?」


そう聞くと、


「薬は飲ませてないわ・・・。」


と不敵な笑みを浮かべた。


「そうか・・・お前のその言葉を信じてやる!その代わり、俺にもユズにももう二度と近づくな!」


そう告げて、警察に踏み込まれて静まり返った店内を抜けて・・・クラブを後にした。


< 44 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop