夜をすり抜けて
技を外して、今度は樹が祐二さんのお尻にボコッとハイキックを入れた。
「バーカ」
「それはお前」
えっと…じゃれてんだよね? 小学生みたい。
それから祐二さんはわたしにポリ袋を持たせてくれて、横にいる樹にもう一度言った。
「朝飯だ。彼女と食いな」
「だから、彼女じゃないって」
「じゃあ何だよ?」
「んー…運命共同体ってとこかな」
樹はそう言って、わたしの肩を一瞬だけグイッと抱いた。
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