夜をすり抜けて
返事が来なかったらどうしよう…
今日は平日で今は授業中だし、携帯はみんな電源を切ってるか、家に置きっぱだ。
でも、夜になっても朝になっても、誰からも返信がなかったら?
明日になっても明後日になっても…
一週間たっても二週間たっても……
怖くなって助手席のシートでギュッと膝を抱える。
鞄から生徒手帳を取り出して、そっと握りしめた。
それでもわたしは負けずにがんばれるのかなぁ…
「真琴?」
しばらくたって作業を終えて戻ってきた樹が、シートに三角座りをしているわたしを見て、少し驚いた声で名前を呼んだ。