夜をすり抜けて

激ヤバのスープを全部飲みほして「ごちそうさま」と両手を合わせたとき


「んじゃ行くか」と樹が立ち上がった。




レジへ向かう彼の背中を眺めていたら、スェットのポケットの中で携帯が鳴り、バイブが二回振動した。


「あ、メール…?」


心が即吸い寄せられる。




慌てて落としそうになりながら携帯を取り出すと、四角い画面にはサホちゃんの名前が表示されていた。


それを開く前にまたバイブが震え、続けてもう一通メールが届く。


同じテニス部の子からだ。



今、昼休みかな…?


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