夜をすり抜けて

「別に今のままでいいんじゃないの、真琴は」


前を向いたまま樹は言った。


「すげー可愛かったぞ」


ひぇ…?


「寝顔とか赤ちゃんみたいだった」


……。


あー、その“可愛い”ね。


「…ありがと」



一応お礼を言っておく。

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