夜をすり抜けて
レジを済ませ、大きなポリ袋をぶら下げて、二人してトラックまで歩く。
「何か遠足みたいで…楽しいね」
思わずそう言ってから、馬鹿にされるかと思った。
「だな」
だけど樹はそう言って笑ってくれたんだ。
真横を歩く樹は……すごく背が高かった。
夜の高速はそれでも結構な交通量で、幾重にも続くライトが綺麗だった。
FMを流しながらトラックは快調に走る。
「あの人は仕事仲間? 写真に写ってた男の人」
「ああ、先輩だ。すげぇ世話になった人」
「へぇ」
「見習いの頃ずっと一緒に組んでトラック乗っけてもらってた。昔は俺、結構尖がってたから、よそのやつとしょっちゅう喧嘩になって随分迷惑かけたんだぜ」
「ふうん」