夜をすり抜けて
…これはもう次の積み下ろしを待つしかないか。
そう腹をくくると、わたしは手探りで真っ暗なそのコンテナの床に腰を降ろした。
「冷た…」
すぐ脇に、家具を傷つけないように運ぶときに使う大きな毛布みたいな布があったので、それにくるまって膝を抱える。
…隣町まで行っちゃったら、遠くてやだな。
財布持ってないし、バスとか乗れないもん。
空を見上げるようにして仰ぐとコンテナの中は真っ暗で、星一つ見えない闇夜のようだった。