夜をすり抜けて
運命共同体
次のサービスエリアで樹は車を停めた。
「っしゃぁ、カツ丼だ!」
あんまお腹空いてないんだけどなぁ…
笑ったのがトイレ。
ちょっと行ってくる、と告げて戻ってみれば、入口の真ん前で樹は腕組みをしてデーンと待ち構えていた。
さっきチャラ男達に絡まれたパーキングエリアと違い、ここはフードコートや売店なんかもあり、ちょっと賑わってるんだけどね。
女子トイレにも他に利用客がいて、わたしより先に出た女の人が、ヌッと突っ立っている樹に驚いて、一瞬ビクッと足を止めたのが見えた。
あはは、完全に不審者じゃん。
なのに樹はわたしを見ると
「あー恥ずかしかった」なんて言った。
それはこっちのセリフ。