あまいチョコ
「うわぁ!!すいません、ちょっと失恋した感傷にひたりたくて…べ、別に非行にはしったわけではないですよ!!ほとぼりさめたらちゃんともどるつもりでした…えっと…」

先生にばれたと思った私はろくに前をみず言い訳の言葉を並べた。

「ぷっ…」

(え…今笑われた?)

わたしがそっと顔をあげるとそこには大爆笑している祐樹がいた。

「お前、ほんと最高!普通誰か確認するだろ!!」

「な、しょうがないでしょ!」

「あー、おかしー!」

ひとしきり祐樹が笑ったところでシーンとなった。

「じゃ、あたし行くから。」

沈黙に耐えられなくなった私は逃げようとした。

祐樹の横を通り抜けた瞬間―

ガシッ

腕をつかまれた。

「待てよ。」
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