イジワルな君と、おバカな私?! (完)

「まず、夜飯か、、、。」

親は、作った料理や、冷凍食品を冷凍庫に入れてあるからチンして食え。と言ってくる。

足りなくなった時は買ってもいいようになってる。

でも、毎月海外からおくられてくるこづかいが少ないから、一人でも毎日ギリギリの生活を送っていた。

「適当にやるか。」

今日は、とりあえず適当に冷凍食品をレンジであたためて章紀と食った。

「おいしいね?」

「ごめんな?章紀。これくらいしか食わせてやれなくて。」

「お兄ちゃんが謝ることないよ?僕が来たせいだもん、、、。」

「そんな事ねぇ。俺が章紀を守ってやる。絶対に。」

親にも心を開かなかったが、章紀には心を開ける。そう思った。

「無理しなくて大丈夫だよ?僕は、こうしてお兄ちゃんとご飯食べれてるだけで嬉しいんだ。」

そう言って、無邪気な笑顔で笑うもんだから、、、

「あぁ。俺もだ。でも、守ってやる。お前は弟なんだからな。」

俺も笑ってやった。この時に生まれて初めて笑ったんだと思う。

「さ、今日は風呂入って寝るか!」

「うんっ!」

この日は、ひとつしかない布団を二人で分け合って寝た。

次の日になると、章紀が居なくなってるんじゃねぇか、、、これは夢なんじゃねぇか、、、居なくなって欲しくねぇ、、、夢なんかではあって欲しくねぇ、、、そう思いながら眠りについた。

たった、一日という短い時間で、見ず知らずの少年から、かけがえのない弟へと変化した。
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