イジワルな君と、おバカな私?! (完)
ー翌日。-
「おはよう。お兄ちゃん。」
その日は珍しく章紀が自分より早く起きていた。
「初詣が楽しみで起きちゃった。早く行こう?」
「おう。」
お金がないから章紀にはおせちも食べさせてやれない。
「ごめんな、、、章紀?」
「何が?」
「やっぱり、何もねぇ。」
章紀のガッカリする顔は見たくねぇから。
「じゃあ、行くか。」
「うんっ!」
俺は、章紀が笑ってくれればいいんだ。
それで。
ー神社。-
「美味しいねっ!」
満面の笑みでわたあめを頬張っている章紀。
「メインそっちじゃねーぞ、、、。」
といいながらも、俺も楽しんでいた。
「お兄ちゃん、ここの鈴鳴らすの?」
「おう。そして、願い事するんだ。声に出すんじゃねーぞ。」
「うん。」
そして、二人で願い事をした。
章紀はとても楽しそうだった。
「記念に、写真でも撮っとくか。」
持ってきたカメラで、大人の人に二人の写真を撮ってもらった。
よく考えれば、この日が二人ででかけた最初で最期の日だったのかもしれない。