イジワルな君と、おバカな私?! (完)
琉美香から誠へ。
俺は、ケータイをいじりながら琉美香を待った。
ケータイを見てみると、拓や亜紀からメール、着信が来ていた。
言わねぇとな。
「、、、。」
ちょうどいいタイミングで、亜紀から着信がきた。
「亜紀。」
自分でも吃驚するくらい落ち着いた声が出た。
「劉矢っ!今どこ?何してるの?」
「家。」
「サボってるの?」
「あぁ。琉美香待ってる。」
電話越しに、亜紀の驚いた様子が伝わってくる。
「何で、、、琉美香さん?」
「琉美香と付き合うことになった。」
ごめんな。亜紀。
、、、何て、亜紀が俺の事好きみたいじゃねーか。
でも、俺はもう琉美香の彼氏だ。
「劉矢、、、。琉美香さんの事が好きだったんだね?」
亜紀の今にも泣き出しそうな声が聞こえる。
そんな声、、、出されたら期待してしまう。
ここは、否定したらおかしいよな。
「あぁ。」
「そっか。おめでとう。」
その言葉に胸が痛む。
「サンキュ。」
「じゃあ、また来週ね?」
「あぁ。」
そうして、電話が切れた。
この後、拓からも電話がかかってくることはなかった。