僕の手のヒラ
「で、どうしたんですか??」

中田先生はこんにゃくを頬張りながら言う。




かわいい。



「えっと、たいしたことないんですけど…」



私は全部話した。




今日生徒が元気なかったこと。



様子がおかしかったこと。



中田先生は何も言わずにただ私の話しを聞いていた。



私の目を見て。



「そうだったんですか……でも、大丈夫です。みんな、具合が悪かったんじゃないんですか??」



中田先生にそう言われると……


ホントにその気がしてくる。



「そうですよね!!ありがとうございます!!」




ホントに、





ありがとう。






「いえいえ、たいしたこと言えないですけど、また何かあれば誘って下さい。」




中田先生……



優しいんですね…。




カッコイイし……




…ってこれって浮気になんのかな??!





でも、ちょっと相談にのってもらっただけだし……大丈夫だよね。





「では帰りますか」



えっ、もう??


時計を見ると11時になっていた。




もしかして……




一人で飲んでた??!





…恥ずかしい



そして

あっ!!


という間に



楽しい時間は去っていった。




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