貴方と私の秘密の関係
後ろから和くんの声が聞こえて来たけど、振り向けないよ…立ち止まれないよ…。


今、話すなんて出来ない…っ。


やっぱりフラれちゃった…。


わかってたけど、やっぱり辛いな…。


もう、会えないかもしれない…フラれたのに、顔見るなんて辛いもん…。


本当に、立ち直れなかったらどうしよう…。


そんなことを悶々と考えると、更に胸が苦しくなった。


堪え切れなかった涙を流しながら、そのまま走り続けた。


だって、立ち止まったら泣いてるの、擦れ違う人にわかっちゃいそうだったから…。


夜だから人はあまりいないとは思うけど、それでも見られるのはイヤだったから…。


「…りっ!!」


えっ…? この声…。


ううん、そんなわけない…追い掛けて来る筈ないもん。

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