幸運の器~Another Stories~
「私ね、本当は匠君が転校してくるまで悠斗君のことが好きだったんだ」

ああ、やっぱり。

「でもね、匠君が転校してきて、それで悠斗君と三人で話す機会が増えて匠君のことを知るようになって、だんだん匠君のことが好きになっていったの」

それは錯覚だよ。

「あの日、匠君に私のこと好きじゃないって言われてすごいショックだった」

あれは僕の本心じゃない。

「でもね、その後悠斗君があれは誤解だって言ってくれたの」

悠斗のおせっかい。

「悠斗君、本当に匠君のことが好きなのね。私に匠君の良いところいっぱい教えてくれたんだよ」

悠斗が僕のこと、好き?

「だから、私あの後も匠君のことずっと目で追ってた。そうしたら、前以上にもっともっと匠君のこと好きになっちゃったの」
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