幸運の器~Another Stories~
しかし、すぐに何かがおかしいことに気がついた。

元気に産声を上げていたはずの子供の声がすっかり消えている。

そこに、いままで姿が見えなかった泰治様が現れた。

その手には、蒼白くぼんやりと光っている球状の何かを持っていた。

そして、その光の球を産まれたばかりの赤子の上に掲げた。

するとそれは、吸い込まれるようにするすると赤子の中へと入っていく。

すっかり納まると、一瞬赤子を蒼白い光が包み込みそして消えていった。

そのすぐ後、元気の良い泣き声が響き渡った。

俺は、安堵の息をついた。

どうやら、子供は助かったらしい。

でも、そうなると……。
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