愛の療法
車から降りるともう雨は小降りになっていた。


レストランに入ると啓介は先生の腕につかまって嬉しそうに走り出した。
「啓介くん。そんなに走ったらこけるよ。」
そんな様子を私達は笑いながら見ていた。



まるで家族みたい・・・・。やっぱり・・啓介にパパがいたらこんな感じなんだろうな・・・。



私はいつもそう考えてしまう。
それがいけないことだとわかっていながら・・・。



「お母さん?いきましょうか。」
そう言って微笑む先生の顔を見ていると私はいつも胸が締め付けられる。



なんでだろ・・・・?何なんだろ・・・この気持ち・・・?


私はまだ自分の気持ちに気付かずにいた。
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