愛の療法
今日は先生と啓介と私の３人で食事に行く約束をしていた。
私は普段着ないようなワンピースを羽織っていつもと違うメイクをして待ち合わせ場所へ向かった。

まるでデートへ行く女の子みたいに。


私は寝ている啓介を家に置いて、書置きを残して家を出た。


待ち合わせ場所に１人で来る私を見た先生は驚いていた。
「啓介くんはどうしたんですか？」
「今日実家のおばあちゃんが来ていて・・・面倒を見てくれるっていうので・・・。」


嘘。家には誰もいないのに。
私は先生と２人っきりになりたくて嘘をついた。


「そうなんですか。じゃあ行きましょう。」
人のいい先生は疑いもせず、笑顔で言った。


先生は優しく私の手をとり、微笑んだ。
「今日は、なんだか雰囲気が違いますね？」
「えっ・・・そんなことないですっ・・！！」
私は顔を真っ赤にして言った。


気付いて・・・くれたっ・・・！！


私は嬉しくて恥ずかしくてずっと下を向いていた。
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表紙・目次

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